みなさん、こんにちは。こんばんは。
2024年ようやく秋がやってきた感じですね。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が実にぴったりだと実感しています。空の美しさやこの心地良い季節に感謝しています。
さて、10月といえば私の誕生月です。年齢を重ねるごとに、時が経つのがどんどん早く感じますが、これには「ジャネーの法則」が関係しているようです。この法則によれば、時間の感じ方は年齢の逆数に比例するとされ、年を重ねるごとに1年がどんどん短く感じるのだとか。
例をあげると、50歳では1年が人生の50分の1ですが、5歳では人生の5分の1です。また、新しい経験をしたときには、その印象が強烈で時間が長く感じるとも言われています。大人になるにつれ、経験が増えて新鮮味が減少するため、時があっという間に過ぎ去るのかもしれません。
私も起業してから1年が過ぎましたが、法務局に行ったり、銀行の法人口座開設で頑張っていたことが昨日の出来事のようです。この1年、新しい体験と挑戦を通じて、感慨深い時を味わえました。時間の感じ方に関するこの変化を考えると、人生の豊かさが思い浮かびます。この先も挑戦を楽しみ、充実した日々を過ごしたいと思っています。
そんな中で、特に産業機械メーカーの方にとって大切な知らせがあります。新しい ISO14119:2024 が2024年9月に発行されました。ガードとインターロックについて、アップデートされていますか?
秋は新たな挑戦や成長の季節です。この気持ち良い季節に、新しい知見や風を取り入れてはいかがでしょうか。
ISO 14119:2024 Safety of machinery — Interlocking devices associated with guards — Principles for design and selection(機械の安全性 ー ガードと共同するインターロック装置 ー 設計及び選択のための原則)
ISO 14119:2024 は、機械の安全性に関連するインターロック装置の設計と選択に関する新しい規格で ISO 14119:2013 から更新されました。この規格は、ガードに共同するインターロック装置の設計および選択(エネルギー源の性質に依存しない)の原則を規定し、合理的に予見可能な方法でインターロック装置が破壊される可能性を最小化する対策に関する指針を提供しています。
機械を停止し、予期せぬ起動を防止するためのインターロック装置からの信号処理は、ISO 14118, ISO 13849-1, IEC 62061 でカバーされています。
ISO 14119:2024 はタイプB2 の規格であり、新機械規則 (EU) 2023/1230 のEU 官報にも掲載される可能性が高いかもしれません。
ISO 14119:2024 のスコープ
- スコープ
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本書は、ガードに関連するインターロック機器の設計および選択(エネルギー源の性質とは無関係)に関する原則を規定し、インターロック機器の無効化の可能性を合理的に予測可能な方法で最小限に抑えるための対策に関する指針を提供する。本書では、以下の設計、選択、適用に関する原則を規定する。
— インターロック機器を作動させるガードの部品
— 機械用途向けのトラップキーインターロック機器およびシステム
ISO 14119:2024 は、危険源に対する保護のシステムとしてのインターロック装置に関するものです。今回の改訂では、主に以下の要求が追加されています。
- 新たに「トラップキー」が含まれ、ISO TS 19837:2018 から移行さた
- 「フォールトマスキング」の基準がISO TR 24119:2015 に基づいて追加された
- 「表3 インターロック機器の種類による、無効化の動機が引き続き存在する場合の追加保護方策」の改訂
この規格は、ガードロック付きおよびガードロックなしのインターロック装置の設計や設置に関する要求事項を明確に規定しています。リスクアセスメントに基づき、適切なインターロック装置の選択が求められます。これにより、機械の安全性を高め、操作ミスや予期せぬ故障を防ぐことが可能になります。
重要な言葉の定義
ISO 14119:2024 の範囲は、インターロック装置の設計と選択の原則を規定し、合理的に予見可能な方法で、インターロック装置の無効化とバイパスの可能性を最小化する手段を提供することです。
- トラップキー
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タイプ 5 インターロック機器に分類され、「外部からの入力によってロック解除されるまでロックされたキー」
- タイプ5 インターロッキングシステム
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安全機能(複数可)を満たすシステム、または安全機能(複数可)の一部であり、少なくとも2つのトラップキーインターロック機器で構成され、キーの受け渡しにより連動するシステム。
- タイプ5 インターロッキング機器
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トラップキーインターロック機器の一部であり、特定のシステム内で1つまたは複数のキーをトラップまたはリリースすることで機能する機器
- アクセスロック
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トラップキーインターロッキングシステムのためにガードを閉位置にロックすることを意図した装置で、キー転送を介して制御システムにリンクされている
- フォールトマスキング
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SRP/CS の一部の作動により、意図せずに故障がリセットされたり、故障が検出されないようにしたりすること
ISO 14119 と ISO 12100 のインターロッキングガードの定義の違い
インターロッキングガードの定義がISO 14119:2024 とISO 12100:2010 Safety of machinery – General principles for design – Risk assessment and risk reduction (機械類の安全性−設計のための一般原則− リスクアセスメント及びリスク低減) は異なっています。
どちらの定義を用いても問題はありませんが、ISO 12100 は策定された年月が古いため、今後はISO 14119:2024 の定義を採用することをお勧めします。ISO 14119:2024 は最新の技術状況に適応しており、インターロック装置の無効化やバイパスの可能性を最小化するための指針を提供しています。このため、現代の安全基準により適合した定義として、ISO 14119:2024 を基準にすることが望ましいです。
- ISO 14119:2024 インターロッキングガード定義
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インターロッキング機器と共同するガードにより、機械の制御システムとともに、以下の機能が実行される
- ガードが閉じられるまで、ガードと関連する危険な機械の機能は動作しない
- 危険な機械の機能の動作中にガードが開かれた場合、停止命令が発せられる
- ガードが閉じられると、ガードと関連する危険な機械の機能が動作する。ガードが閉じられるだけでは、危険な機械の機能は動作しない。
- ISO 12100:2010 インターロッキングガード定義
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機械の制御システムと一緒に次のように機能するインターロック装置が付加されたガード
- ガードによって”覆われた”危険な機械機能は、ガードが閉じるまで運転できない。
- 危険な機械機能の運転中にガードが開くと、停止指令が発生する。
- ガードが閉じると、ガードによって“覆われた”危険な機械機能は運転することができる。ガードが閉じたこと自体によって危険な機械機能が起動しない。
インターロッキング機器の選定やそのための安全制御方法は、リスクアセスメントと密接に関連しています。リスクアセスメントは、機械の設計における潜在的な危険を評価し、それに対する適切な安全対策を講じるための重要なプロセスです。このプロセスを通じて、最適なインターロッキング機器を選定し、安全性を確保することが求められます。また、ISO 14119 の考え方は、ISO 13849-1 とセットで考えることが必要です。ISO 13849-1 は、機械の安全性に関連する制御システムの設計に関する国際規格であり、これと組み合わせることで、より包括的な安全対策を講じることが可能になります。
今後は、このような観点から、新しいISO 14119:2024を詳しく紹介していきたいと思います。