公益財団法人こうべ産業・就労支援財団様の専門家派遣事業
この度、公益財団法人こうべ産業・就労支援財団様の専門家派遣事業を通じて、弊社が行った支援事例をご報告いたします。

今回ご支援させていただいたのは、兵庫県神戸市にある製造業の企業様です。
同社は欧州市場への製品展開を見据える中で、CEマーキングのための自己宣言に必要な手続きや、技術図書・作成方法、リスクアセスメントに関する知識が十分に整理されていないという課題を抱えておられました。
そこで、そこで、同財団経営支援部の要請を直々にうけ、弊社からインテリスク株式会社の中川が機械安全専門家として訪問し、2025年7月から2026年3月にかけて全10回の伴走支援を実施いたしました。
支援の目標と、網羅した欧州安全規格
本支援では、CEマーキングに関連する技術文書のうち、特に重要となる「リスクアセスメント(機械の潜在的な危険性を洗い出し、低減策を検討するプロセス)」に焦点を当てました。単なる知識の習得にとどまらず、ISO 12100:2010に基づいた適切な実施・文書作成方法を理解し、実機を対象としたリスクアセスメントを自社で単独実施できる体制を構築することを目標としました。
目標達成のため、以下の多岐にわたる機械指令および整合規格について講義および教育を行いました。
- 機械指令 2006/42/EC 附属書I(必須健康安全要求事項)
- ISO 12100(機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減)
- ISO 13732-1(温熱環境の人間工学―表面接触時の人体反応の評価方法―第1部:高温表面)
- ISO 13849-1(機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則)
- ISO 13857(機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離)
- ISO 14118(機械類の安全性―予期しない起動の防止)
- ISO 14120(機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項)
- IEC 60204-1(機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項)
実践を見据えた全10回のステップ
全10回の支援は、基礎の理解から入り、徐々に実機を用いた実践へとステップアップしていく形で進めました。
- 第1回〜第3回(基礎・概要の理解)
機械指令2006/42/ECの概要から始まり、ISO 12100に基づくリスクアセスメントの概要、および機械系の国際規格について解説を行いました。 - 第4回〜第5回(個別規格と実践への移行)
高温表面に関する国際規格の解説や、AIを使ったリスクアセスメントについての紹介を交えつつ、リスクアセスメントの第1回発表を行っていただきました。 - 第6回〜第8回(電気安全・安全制御)
IEC 60204-1(機械の電気装置)の解説に加え、2回にわたりISO 13849-1(制御システムの安全関連部)を掘り下げて解説しました。 - 第9回〜第10回(実機ベースのリスクアセスメント実践):
最終段階として、ISO 12100の実践として、実際のリスク見積もりとその対策案についての検討を2回にわたり集中的に行いました。
支援の成果と前向きな今後の展望
本支援の実施により、同社において、ISO 12100に基づく手順や規格の適用方法について深い理解が進みました。そして、外部の助言に依存せず、自社においてリスクアセスメントを実施できる頼もしい体制が整いつつあります。すぐに効果が現れてきている、素晴らしい成果です。
欧州規制への完全適合に向けては、次のステップとして、ISO 13849-1およびIEC 60204-1への適合を踏まえた電気回路設計や安全関連制御回路の設計に関する専門的な検討が求められます。
また、CEマーキングのための自己宣言に関連して、製品適合性を確認するための試験やテストレポート作成、電気安全試験、EMC(電磁両立性)試験への対応という目標もあります。 これらの事項については、外部試験機関の活用等を含めて技術的検討を進めていくことで、確実に対応していくことができます。
インテリスクでは引き続き、機械・電気の機械安全工学やリスクアセスメントの専門知見を活かし、海外市場という新たなフィールドへ挑戦する企業様を力強く後押ししてまいります。
費用でCEマーキング対応を諦めないために
CEマーキングの対応を進めるにあたり、外部のコンサルティング会社や第三者認証機関に相談したものの、想定以上の高額な費用がハードルとなってお困りの企業様も多くいらっしゃるかと思います。
インテリスクでは、そのような資金面での課題を抱える企業様のCEマーキング対応を、社会貢献の一環として後押ししていくことも重要な使命であると考えております。
もし、費用の問題で海外への事業展開を諦めかけている企業様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、今回ご紹介した「こうべ産業・就労支援財団」様にご相談してみてください。専門家派遣事業などの公的な支援制度を活用することで、きっと前へ進むための道が開けるはずです。
また、CEマーキング対策でお悩みの企業様は、神戸市内に所在する方に限定されません。他府県や他市町村に所在する企業様も、ぜひ財団様へお問い合わせください。親身に相談に乗っていただけますし、それぞれの状況に合わせた解決策を提案していただけます。
インテリスクでは引き続き、機械・電気の機械安全工学やリスクアセスメントの専門知見を活かし、海外市場という新たなフィールドへ挑戦する企業様を力強く後押ししてまいります。
