JETROジェトロ(日本貿易振興機構)発行:機械規則に対応した新版EU市場向けCEマーキング完全ガイド

自己宣言のためのCE マーキング適合対策実務ガイドブックがJETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)から発行されました。このガイドブックはCEマーキングの要件に適合するための具体的な手順と注意点について解説しています。また、これからEU市場に輸出をする企業やその担当者様に向けて実務で使えるような内容で編集されています。

自己宣言のためのCEマーキング適合対策実務ガイドブック(EU)(2023年10月)

目次

CEマーキングとは

CEマーキングとは、EU整合法令に製品が適合していることを示す制度であり、製品にCEマークを表示することが義務付けられています。このマークがある製品は、適用されるすべてのEU法令の要求に準拠し、適切な評価手続きを経ていることが認められます。CEマーキングは、欧州経済領域(EEA)及びトルコ内での製品の自由な流通を保証します。対象となる製品は市場流通前に必ずこのマークを貼付しなければならず、非対象製品には貼付してはいけません。これにより、消費者やビジネスが製品の安全性と基準適合を確認できます。

CE marking

「CEマーキング」とは

欧州議会および欧州連合規則(EC)第765/2008号はCEマーキングを規定しています。

第1章 第2条(定義)20項
「CEマーキング」とは、製造者が、製品が、その貼付を規定する共同体調和法に定める適用要件に適合していることを示すマーキングを意味するものとする。

機械規則(EU)2023/1230

新たな機械規則(EU)2023/1230 が発表され、既存の機械指令(2006/42/EC)および理事会指令(73/361/EEC)は2023年6月14日に廃止されました。この新規則は2027年1月20日から施行されることになりますが、製造者はその日までに適合宣言書や技術文書を新規則に基づいて整備する必要があります。これにより、機械製品の安全基準と規制遵守の要件が更新され、EU市場での機械の安全性が強化されることが期待されます。

自己宣言に伴うリスクとは何か?

製品をEU市場に出す際、CEマーキングの適合宣言は非常に重要なプロセスです。この適合宣言を自己宣言で行うことは可能ですが、それにはEU法令で要求される内容や整合規格リストに沿った厳格なチェックが必要です。しかし、この自己宣言プロセスにはいくつかのリスクが伴います。

主なリスク要因

  • 適合規格の評価の誤り: 製品がEUの安全基準に適合していると誤って判断すること。
  • 技術構造ファイルの不備: 製品の設計や性能に関する重要な情報が不足していること。
  • 現地での不適合による裁判: 製品が現地の規制に適合していないと判断された場合、裁判に発展する可能性があります。

自己宣言の信頼性を高めること

これらのリスクを避けるためには、適合性評価を正確に行うことが不可欠です。しかし、実際には適合性評価が複雑であり、多くの製造者はノーティファイドボディを含む第三者機関による評価や型式検査を受けることを選択しています。これにより、認証書を技術文書に組み込むケースが増えており、自己宣言の信頼性を高めることができます。

VDE Global Services Japan Co., Ltd.
https://www.vde.com/tic-jp/vde-global/global-services/vde-gs-japan
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