機械指令の自己宣言に向けて、リスクアセスメントとテストをトレーニングしながら実施した事例紹介

みなさん、こんにちは。メリークリスマスです。今年も残りわずかとなりましたが、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。


今回は、先日N社様からいただいたリスクアセスメントのご依頼について、私たちがどのように対応したかをお伝えしたいと思います。リスクアセスメントとは、機械の安全性を評価するための手法の一つで、機械指令にも要求されています。機械指令とは、欧州連合(EU)で機械製品の安全性や品質を保証するために定められた法的な基準です。今回の対象機械は機械指令の中では半完成部品に該当しますが、お客様は半完成品として自己宣言される予定です。そのため、リスクアセスメントの後は、B規格、C規格に沿ってテストを実施し、立ち合いのもとIECフォーマットのテストレポートを発行する予定です。お客様への成果物はリスクアセスメントレポートとテストレポートです。

通常は、リスクアセスメントはお客様が実施いただいて、私たちが確認して修正することが多いですが、今回はお客様が初めての経験ということで、トレーニングしながら私たちが作成する運びになりました。 今回のリスクアセスメントは前後編に分かれており、前編では以下のステップを踏みました。

  1. 機械の制限の決定:機械の用途、寿命、使用環境などを明確にします。
  2. 危険源の同定:機械の動作中やメンテナンス時に発生する可能性のある危険を洗い出します。
  3. リスクの見積り:危険源が引き起こす事故の発生確率と重大度を評価します。
  4. 安全対策案の提供:リスクを低減するための安全対策を提案します。

特に4. の「安全対策案の提供」については、私たちは幅広い知識と、全世界にたくさんの仲間がいるので、例え私たちが解らないことがあったとしても、自信をもって提案できることが強みだと考えています。

後編では、テスト結果を反映してからリスクの再見積もりを行います。リスクアセスメントは色々なやり方がありますが、今回はお客様と相談のもと、ISO/TR 14121-2:2012(機械の安全性リスクアセスメントパート2:実践的ガイダンスと手法の例)を参考に進めることになりました。

リスクアセスメントはこれでないといけないという事は全くなく、お客様のご要望に応じて柔軟に取り組み、二人三脚で進めることが重要と考えています。また、お客様にとっては、私たちは灯台のように、お客様が進むべき方向を照らしていくことが重要です。途中にはもちろん紆余曲折があるかと思いますが、自己宣言のために、いかに機械指令の要求に適合させていくことが私たちの使命と考えています。

私たちは、お客様の機械の安全性を確保するために、最善を尽くしています。お客様のご要望にお応えできるように、これからも努力してまいります。

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