IEC 61508 と ISO 13849-1 の違いと関係:機能安全の基礎を理解するためのセミナー

当社インテリスク株式会社は、産業機械の機能安全に関する国際規格であるISO 13849-1 のセミナーをY社様に実施しました。このセミナーは、前半編と後半編の2回に分けて行われ、後半編ではパフォーマンスレベル(PL) の導出方法について詳しく学びました。

ISO 13849-1 は、機械の安全関連部品の設計と検証に必要な要求事項を定めた規格です。この規格は、電気・電子・プログラマブル電子システムの機能安全に関する一般規格であるIEC 61508 に基づいていますが、機械に特化した内容になっています。IEC 61508 では、安全性能レベル(SIL) という指標が用いられますが、ISO 13849-1 では、PLという指標が用いられます。PL は、機械の安全関連部品の故障による危険の低減度合いを表すもので、a から e までの5段階に分類されます。

セミナーの後半編では、以下の内容を学びました。

  • PL の導出方法の概要と手順
  • 共通故障原因 (CCF) と故障除外の考え方と条件
  • よく吟味した (well-tried) 部品とその適用例
  • IEC 61508 の概要とSIL の概念
  • ランダムハードウェア故障とシステマチック故障
  • SRESW(安全関連組み込みソフトウェア)とSRASW(安全関連アプリケーションソフトウェア)の定義と要求事項]
  • Vモデルと検証方法
  • 非常停止回路のPL 計算の練習問題と解答

セミナーの最後には、学習内容を確認するためのテストを実施しました。参加者の皆様は、PL の導出方法について理解を深めることができました。

私たちは、お客様が機能安全のソフトウェアを組み込んだ産業機械を設計し、作り出すことが目的であることを念頭に置き、わかりやすく伝わりやすく表現することに努めました。資料も、お客様が後から復習のために見返してもわかりやすい内容になるように工夫しました。

このセミナーは、ISO 13849-1 の初学者向けのものでしたが、今後は上級編として、IEC 61508 の機能安全に踏み込んで解説していく予定です。

お客様の機械の安全性を高めるために、私たちは引き続きサポートさせていただきます。この度は、当社のセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。

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